ペットロスを癒してくれるのは・・・

私は幼少の頃から犬好きで、お別れして悲しみのどん底に落ちては次の子に出会い、またお別れをしては涙し、を繰り返してきました。

小学5年生の時に、柴犬がフィラリアに罹ってその苦しむ姿を目の当たりにし、犬猫病院で先生に「助けてください」と泣き叫んだ翌日、学校から帰った私は母から
「先生から助けてあげられなくてごめんなさい、と電話があった」
と聞かされて以来、もうあんな思いをしたくないと、犬を飼うことをやめていました。

それから何年か経ち、私の娘が4歳の時に、ペットショップで出会ったシーズーを抱っこした娘が「私のわんちゃん」と言って放さなかったので、再びわんことの生活が始まりました。

その子はとてもおっとりとしたお姫様わんこで、私たち家族は「我が家の永遠の赤ちゃん」のように可愛がり、何処へ行くにも一緒。
娘は自分の妹のように思い、私は娘が二人いるようなつもりでいましたが、ある日突然、お別れの日はやってきました。

それもよりによって、私の母が突然にくも膜下出血で倒れて入院中(母の意識はまだ戻っていませんでした)に、まるで母の身代わりになったかのように急いで虹の橋を渡って行ってしまいました。母も、眼の中に入れてもいたくないほどに可愛がっていたわんこでした。

頭では、私たち人間より長生きできないわんことはいずれお別れの時が来ることは十分に理解していたつもりでしたが、現実には心(感情)が全くそれについていかず、来る日も来る日も泣き明かし、私も家族もペットロス症候群になり、立ち直るまで長い年月を要してしまいました。


お姫様わんこが虹の橋を渡って5年ほど経った頃、偶然立ち寄ったホームセンターのペットコーナーに、シーズーの子犬がいました(売れ残りのわんこでした)。
あのお姫様わんこによく似ている!生まれ代わりかもしれない(男の子ですが)私たちをここで待っていてくれたんだ!
私も娘もそう思い込んで、我が家にお迎えすることに決めました。

家に戻って写真と見比べてみると、ペットショップで見た時はあれほどそっくりと思ったのに、実際はあまり似ていませんでした。
でも、そんなことはどうでもよく、私たちは再びわんこと暮らすことに大きな喜びを感じていました。

翌日、ホームにいる母に会わせようとわんこを連れていくと、母は5年前に意識不明の状態の間にお別れしたわんこの名前を呼んでとても喜びました。
男の子よ、と言うと母は、そんなことはどうでも良いという感じで、わんこを抱きしめました。

病気の後遺症で半身不随となり車いす生活を余儀なくされた母は、それまで笑うことなくいつも難しい顔をしていましたが、毎週末にわんこを連れて面会にいくうちに、笑顔が増え、とても穏やかになりました。

これがアニマルセラピー、ドッグセラピーというものなんですね。
ペットロスを癒してくれるのはペットしかないのかもしれません。

そのシーズーは今すでに13歳。母は2017年4月に亡くなりましたが、亡くなる前の入院中はいつもわんこに会いたい、元気にしているかしらと言っていました。母が、大病をしたにも関わらず、82歳まで生きられたのもわんこがいてくれたから。私はそう思っています。

そのシーズーは結婚した娘の家に。私は9歳になるチワポメ(チワワとポメラニアンのmix)と暮らしています。

最近よく考えるのは、シーズーはもう13歳。私のチワポメも9歳。お別れの日が近いかもしれない、と言うことです。
そうなれば、またペットロスになってしまいそうです。
でも、もう自分の年齢を考えると、次の子を迎えることはできません。
もし今度ペットロスになったら、どうやって立ち直れば良いのか、それが私の今後の課題となっているのです。

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