笑顔のない子ども時代

母の遺した写真を整理し終えたとき、ついでに私の写真も整理してみました。

自分の幼少期の写真を見ながら、
私って、なんと緊張した顔をした子どもだったのだろう!
笑顔のない子ども!

と改めて驚いてしまいました。

当時、写真フィルムや現像料が安くはなかったので、スナップ写真ですら、頻繁に撮ることはしませんでした。
なので、被写体となることにも慣れておらず、カメラを向けられると緊張してしまったのも事実です。

小学生の頃の写真を見ると、私もお友だちも、みな緊張した面持ちです。
その中でも特に私は、緊張してコワイ顔をしていました。

いくら被写体となることに慣れていないとはいえ、屈託のない笑顔で写っているクラスメイトは存在していたのですから、やはり私は笑顔のない子ども時代だったのかもしれません。

家族で出かけた時の写真は、輪をかけてコワイ顔。
きっと、親の機嫌を損ねないようにビクビクしていたのですね。

時を追って写真を整理するにつれ、少しずつ私の顔がほぐれて笑顔で写っている写真が増えてきました。

やわらかな表情になったのは、実家を出て一人暮らしを始め、好きな仕事をして自活し、自由を得た頃からでした。
顔にはその人の人柄や、精神状態が表れるものですね。

暗い気分の時に明るく振舞おうとしても、どこかに影が見え隠れしますし、幸せで絶好調の時に暗い顔をしようと思っても、それはそれで難しく、どこかで笑みがこぼれてしまうものです。

あなたは写真の中でどんな表情をしているでしょうか。

笑っていますか? それとも・・・?

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